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不動産購入最終チェックリスト

不動産の購入は人生において大きなイベントの1つです。物件選びはもちろん、資金計画や契約、引っ越しなど考えるべき要素が多数あり、初めて物件を買う人にとっては不安なことも多いのではないでしょうか。
「不動産購入で失敗しないためのチェックリスト」を物件選びの際にご活用ください。

①.周辺環境(立地)でのチェックポイント

周辺環境の確認で重要なことは、実際に足を運んでチェックすることです。

住まい周辺を徒歩や自転車で散策することで、騒音やにおいなどの問題に気づくことができ、スーパーや銀行などの周辺施設の確認も可能です。また、周辺の散策は一度切りではなく、時間を変えて複数回行なうことも大切です。

前述の通り、時間帯によって環境が大きく変わるエリアもありますので、朝・昼・夕の各時間帯や平日・休日と分けて住宅まわりを確認すると、該当エリアの特徴はもちろん、日当たりなども確認できます。

そして、周辺環境のチェックで欠かせないのがハザードマップです。ハザードマップとは、その土地における洪水や地震などの自然災害のリスクをまとめたもので、市役所などで確認することができます。 長く住み続ける場所だからこそ、災害に強い土地を選ぶのは非常に重要です。

★周辺環境のチェックポイント
✔︎自宅周辺の臭いや騒音
✔︎スーパー、コンビニなどの周辺施設
✔︎時間・曜日別の周辺環境の変化
✔︎日当たり
✔︎ハザードマップ

周辺環境をチェックしないと起こりうる事例

それでは、実際に周辺環境の確認漏れが原因で起こったトラブルを2つご紹介します。

1つ目は、近くに鉄工所があるマンションを購入した失敗事例です。 仕事の都合で、昼間の内覧ができなかったようなのですが、立地・間取りが申し分なかったため、仕事終わりの夜間に内覧し、その場で購入を決意されました。しかし、いざ住んでみると、日中は鉄工所が大きな音で稼働し、幼いお子さんの昼寝もままならない物件だったようです。

不動産は一点もののため、物件が他の人にとられてしまうと焦る気持ちもわかりますが、周辺環境をしっかりチェックしないと、せっかく購入した物件も住みにくい住まいとなってしまいます。

2つ目は、最寄りのスーパーが閉店してしまったケースです。 周辺にはスーパーがその1件しかなかったため、遠くまで買いに行かなければならなくなりました。さらに、住まいの周りは坂が多く、毎日の買い物の負担が大きくなってしまいました。

周辺を散策する際には、実際にどんな生活を送れるのかシミュレーションを行なうことも大切です。スーパーなどの施設はどうしても閉店する可能性がありますので、よく利用する施設は住宅の近くに2件以上あると安心です。

②.[戸建て]物件選びのチェックポイント

次に、戸建て住宅を選ぶ際のポイントをご紹介していきます。

戸建てのほとんどは、マンションと違い自主管理です。そのため、家を長持ちさせるためのリフォームやメンテナンスを自身で行う必要がありますが、その際に重宝するのが図面です。

特に壁の中など見えない部分は、図面を参考に判断していくことが多いため、戸建て購入の際には図面の有無を確認するようにしてください。 そして、住宅の長持ちの面でいうと、中古物件の場合は給湯器や食洗器など設備状況の確認も忘れてはいけません。前の家主から現況のまま引き継ぐことが多くなるため、利用年数やいつ頃手入れがされたかをチェックしてみてください。

また、住宅だけでなくどのような建築制限を受けるエリアなのか注意を払う必要があります。特に、用途地域についてはしっかり確認するようにしてください。用途地域とは、都市計画法に基づき定められたエリアのことで、建設可能な建物の大きさや種類を制限したものです。

これにより、2階建てまでしか建てることのできない場所がある一方で、マンションやパチンコ屋などが建てられる場所もあります。用途地域の内容によっては、数年後に景観が大きく変わる可能性もあるのです。

こうした用途地域も含め、契約書にはさまざまな重要項目が記載されています。そのため、万が一不備があった場合には、トラブルに発展する可能性が高い上、物件または不動産ごとに内容が変わりますので、不動産会社は契約書の入念なチェックを行なっています。 会社によっては営業担当者が書類を作成したあとに、営業所長のチェックのほかに、契約に関する知識が豊富な専門部署で最終チェックをするというように、かなり気を使っている企業もあります。

★戸建て物件のチェックポイント
✔︎図面の有無
✔︎設備類の状況
✔︎用途地域のチェック
✔︎契約書の入念なチェック

チェックを怠ることで起こりうる事例

では、戸建て購入時のチェックミスから起こった失敗事例を2つご紹介していきます。

1つ目は、先述した用途地域に関する失敗事例です。 目の前に空き地がある日当たりのよい物件を購入したが、数年後に4階建てのマンションが建つことになってしまったというケースがありました。結果的に冬場にはほとんど日が当たらない状態になってしまったそうです。
購入時に高い建物がまわりにない場合でも、用途地域の種類によっては目の前に思いがけないものが建つ可能性だってあります。

2つ目は、引っ越しでのトラブルです。 引っ越しの際に大きな家具が階段を通過できず、急遽クレーン車を用いて運ぶ事態に陥ってしまい、想定していたよりも出費がかさんでしまったケースです。 見落としがちですが、事前に通路や室内の広さを確認すれば、ある程度出費を抑えることもできたかもしれません。

③.[マンション]物件選びのチェックポイント

立地条件や周辺環境のチェックはもちろん大切ですが、マンションも確認することがあります。

例えば、上下や隣の部屋からの騒音や臭いなどに加え、エレベーターが近くにある場合は、実際に動かしてもらいその音まで検証することもおすすめします。

住人による騒音問題は内見では気づきにくい部分ですが、管理組合が適切に機能している物件では、そういった問題が少ないように思います。 共有部分であるゴミ捨て場やエントランスの管理状況をチェックすることでも、簡易的にではありますが、管理組合や管理人さんが正常に機能しているか確かめることができます。

また、内見の際に忘れずにチェックしたいポイントが、物件の日当たりです。晴れの日はもちろん、曇りや雨の日にもどれくらい日が当たるのか何回かに分けて確認できると安心ですね。

★マンションのチェックポイント
✔︎マンション内部や周辺の騒音と臭い
✔︎エレベーターの動作音
✔︎ゴミ捨て場やエントランスの管理状況
✔︎物件の日当たり

チェックを怠ることで起こりうる事例

それでは、マンション購入の際に確認漏れが原因で起こったトラブルをご紹介します。

代表的な事例としては、やはり近隣の騒音です。 子育て世帯の多いマンションを購入する場合は、近隣の音にも意識を向ける必要があります。例えば、上階に住む子ども達の走り回る音が気になって、落ち着いて暮らせないというケースがありました。 その逆のケースもあります。下の階の方に気を使うことで、物音を立てることも気にするようになり、毎日子供を叱ってばかりになることも。 子どもは元気が一番ですが、静かに暮らしたい人にとっては向いていない場合もあるのです。

上下左右の騒音トラブルの有無は不動産会社や管理会社に確認するのも手です。

④.[マンション]管理体制のチェックポイント

特にマンションの場合、建物や部屋の状態だけではなく、管理組合がどのような運営を行なっているかも確認することをおすすめします。 そして、長期修繕計画と修繕積立金は忘れずに確認するようにしてください。

一般的に修繕計画は15年単位ほどの期間で立てられ、毎月支払う修繕積立金を使って計画を実行していきます。大規模修繕工事(外壁の塗り替えや駐車場の整備、エレベーターの取り換えなど)を実施する場合、うまく運営できていないと不足分が発生し、追加でまとまった金額を支払うことになります。

修繕積立金は高い安いではなく、どういった計画でどの程度の費用を見込んでいるかで、良し悪しを判断する必要があります。 また、セキュリティ対策や災害時の備蓄など、災害対策も重要な確認ポイントです。自分や家族の身を守るために欠かせないこれらの設備についても、事前に知っておいた方が賢明です。

★管理体制のチェックポイント
✔︎管理組合の運営方針
✔︎長期の修繕計画
✔︎セキュリティ対策
✔︎災害対策

チェックを怠ることで起こりうる事例

ここでは、管理体制をしっかりチェックしなかったことで起こったトラブルを3つご紹介していきます。

1つ目は、管理組合の運営を確認しなかったために起きた事例です。 マンションの大規模修繕計画を知らなかったことで、修繕積立金だけでまかなえなかった数十万円規模の費用を突然請求されてしまったというケースがあります。 本来はあらかじめ仲介業者として説明をするべき内容になりますが、物件を購入してすぐに大規模修繕で大きな出費が...という事態を避けるためにも、事前に管理会社や不動産会社から説明を受けてください。

2つ目は、同じく管理組合の運営に関するトラブルです。 ペットを飼育できるマンションを購入したのに、突然不可になってしまったケースもあります。管理会社の運営方針を事前に確認することは非常に重要と言えます。

3つ目は、管理状況のチェックを怠ったことで生じた失敗事例です。 管理会社に委託しない自主管理のマンションを購入したところ、実際に入居してからゴミ置き場や共有部分の管理がずさんなことに気づいたというケースです。 管理会社がいないため住民同士で解決しなければいけませんが、トラブルに発展するのが怖く注意できないといいます。 一見、自主管理のマンションは管理費が安いというメリットがありますが、その分管理が難しいという側面も理解しなければいけません。

⑤.不動産会社の選定のチェックポイント

希望の物件を見つけるためには、不動産会社やローン関係のチェックも疎かにはできません。

まずは、会社の規模です。会社の規模が大きければ、従業員人数や資本金も大きく、いざという時のフォロー体制が規模の小さい会社に比べて手厚いのが特徴です。 例えば、購入後に気軽に相談できる窓口を設けている、建物に不具合があった場合に保障してくれるサービスがあるなど、が挙げられます。
住まいは契約後が本当のスタートになりますので、困った時に頼れる体制は魅力的です。会社の規模と合わせて顧客満足度などを調べてみると、フォロー体制の充実度がわかるはずです。

次に実績では、実契約数や得意なエリアをみていきます。 新築分譲に強みを持っている会社や不動産仲介に特化した会社など得意分野もさまざまです。得意分野に加え、マンションや戸建ての実績の違いなども尋ねてみるとよいでしょう。希望する分野の経験が豊富であれば安心して任せることができます。

上記と合わせて、地域での実績がどの程度あるかも重要です。特定の地域での実績が豊富であれば、地域ネットワークを生かして、エリアの特徴や詳細を把握できているため、さまざまな事前情報を聞くことができます。 希望エリアがある方は、その地域に強みを持っている不動産会社を選ぶことが成功への近道といえるでしょう。

そして、住宅ローンの金利もポイントになってきます。実は、住宅ローンの金利は購入者の状態だけでなく、不動産会社の規模や実績によっても左右されます。 会社規模や実績は、スムーズな物件選びやアフターフォローだけでなく、実際に支払う金額にも影響する可能性があります。

★会社選びやローンのチェックポイント
✔︎不動産会社の規模
✔︎不動産会社の契約実績
✔︎不動産会社が得意とするエリア
✔︎ローン契約者の健康状態と不動産会社規模・実績

チェックを怠ることで起こりうる事例

不動産会社の選定や、ローンについて詳しくチェックしなかったことで起こったトラブルを2つご紹介します。

1つ目は、不動産会社をよく比較せずに選んでしまい、金利に差があったことを後から知ったケースです。 住宅ローンの金利は年齢や健康状態、返済能力などの申込者の属性によるものだけでなく、不動産会社の取引実績により金利優遇が異なる場合があります。 不動産売買の取引件数の多い不動産会社は、金融機関との提携数も多い傾向にあります。そのため取引件数の少ない会社より金利優遇の適応数が豊富なのがメリットです。

2つ目は、持病があり住宅ローンの審査が下りなかったケースです。 健康状態の告知書で該当がある場合、団体信用生命保険に加入することができず、ローンの審査が通らない可能性もあります。 住宅は健康なうちに購入したほうが、確実といえるかもしれません。

不動産購入
最終チェックリスト

ここまで、さまざまな失敗事例とともに、不動産営業マンならではの視点からチェックポイントをご紹介してきましたがいかがでしょうか。

不動産購入は大きな買い物だからこそ、不動産会社に頼るだけでなく自分自身によるセルフチェックも非常に重要です。これまでご紹介した不動産購入におけるチェックポイントを、さらに詳細にまとめたものが以下よりダウンロードできます。

不動産購入を検討している方も、もう物件を決めた方も、活用してみてはいかがでしょうか。

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