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管理会社の失敗しない選び方と上手な付き合い方
「マンションは管理を買え」。分譲マンションを購入する際の基本的な考え方です。これはアパートを含む賃貸物件でも同じ。借りる部屋を探している人のほとんどは、内覧する物件の管理状態もチェックしています。また、管理が行き届いている物件は、長期間に渡って高い入居率を維持することができます。つまり、賃貸経営の成功のカギは管理会社の選び方にあるのです。
管理会社が行う業務とは
管理会社の選び方を解説する前に、その業務内容を整理しておきましょう。管理会社が行うおもな業務は以下になります。
- 入居者募集
- 契約業務
- 入居者管理(家賃集金等)
- 清掃
- 建物や設備のメンテナンス
- 契約更新や改定業務
- 解約業務
- リフォーム
- 収支表の作成(定期報告)
ただし、契約によって「入居者募集と集金のみ」といったように一部だけ依頼することも可能です。
管理会社を選択する際の8つのチェックポイント
それでは管理会社の選び方について解説します。管理会社を選択する際は、次の8つのポイントをチェックしましょう。
1. 複数の管理会社から話を聞く
それぞれの管理会社には得意・不得意があります。また、これから解説するポイントについて1社だけに聞いても、それが優れているかどうか判断できません。そのため、複数の管理会社から話を聞いて比較するようにしましょう。この際、管理手数料の安さではなく、トータルバランスに注目するべきです。
2. 周辺環境の知識
部屋を探している人たちは、物件の周辺環境も知りたがるものです。ですから、最寄りのコンビニの場所といった定番情報だけでなく、美味しい刺身を売っているスーパーなど細かい情報にまで精通している管理会社が理想です。
3. インターネット広告の利用状況
昨今の入居希望者のほとんどは、インターネットを利用して部屋を探しています。そのため、管理会社のネットリテラシーは必須。自分の物件は、すぐに大手不動産ポータルサイトに掲載してもらえるのか、その際の写真の数は十分か、などを確認します。
4. 平均入居率
賃貸経営の最大の目的は、家賃収入を得ることです。したがって、管理会社のもっとも重要な業務は、入居者の募集です。そこで管理物件の平均入居率を聞いてみましょう。即答できない場合は、入居者募集に注力していない可能性があります。また、他社と比べて特別高い数値の会社があれば、その場限りの適当なことを言っているかもしれません。その理由も確認しましょう。
5. 入居者審査の基準
入居者の質が悪いと家賃の滞納やほかの入居者、周辺住民とのトラブルなどが発生する可能性が高まります。その結果、退去者も増加するので、入居者審査は非常に重要です。そこで候補となる管理会社には、どのような基準で審査を行っているのか聞いてみましょう。
6. 原状回復費の目安
入居者が退去した後のフローリングや壁紙などの経年変化や通常損耗に対する原状回復費は基本的にオーナー負担となります。これが割高だと経営を圧迫しかねません。そのため、候補となる管理会社には自分の物件を見せた際に、原状回復費の目安を聞いておきます。
7. 空率対策
賃貸物件のオーナーにとって、もっとも不安なことは空室が続くことでしょう。そこで知りたいのが、それぞれの管理会社の空室対策です。「礼金・敷金ゼロ」「フリーレント」といった定番の対策だけでなく、オリジナルの提案を有している会社が理想です。
8. 担当者の対応
仮に管理会社の規模が大きくても、担当者のスキルが高いとは限りません。初対面の際にしっかりメモを取っているか、こちらからの質問に即答できなければいつまでに回答すると期日を伝えてくるか、その約束はきちんと守れたのか、などビジネスパーソンとしての基本スキルを確認します。
9. 管理物件を見学
百聞は一見に如かず。管理会社の実力を知るには、やはり実際に管理をしている物件を見せてもらうのが近道です。この際、1件だけだと自信のある物件に絞られる可能性があるので、2件以上案内してもらうようにしましょう。目の付け所は、ゴミ置き場の汚れ具合、敷地内の雑草の生え具合、外壁のメンテナンス状態などです。また、各住戸の玄関やバルコニー周りも確認すれば、その様子で入居者の質を予想することができます。ただし、外壁など建物のメンテナンス状態が悪い場合は、オーナーが予算の都合で行っていないケースもあるので、その理由を確認したほうがいいでしょう。
管理会社との上手な付き合い方
たとえ同じ管理会社、担当者でも付き合い方次第で管理状態は大きく変化します。管理会社と付き合う際は以下の点に注意しましょう。
「下請け業者」ではなく「パートナー」として接する
前述のように、賃貸経営の成功のカギを握っているのは管理会社である、と言っても過言ではありません。それゆえ「こちらから仕事を依頼しているんだ」という上から目線は禁物。あくまで賃貸経営をスムーズに行うための事業パートナーとして接するようにしましょう。担当者も人間ですから丁寧に接してもらえれば、より気持ちを込めて業務を行ってくれるはずです。
気になることがあれば遠慮なく連絡する
「丁寧に接する」と「遠慮をする」は別です。気になることがあればその都度連絡をするべきです。そうすることで問題が早く解決すると同時に、担当者には「このオーナーの物件のことは後回しにできない」という意識を持ってもらえます。ただし、繰り返しになりますが、連絡をする際は丁寧な態度を心掛けましょう。
年に1度は訪問する
いくらマメに連絡を取っていてもメールや電話だけだと印象が薄くなっていくものです。人間関係を深めるには、やはり対面が必要です。たとえ遠方に住んでいたとしても年に1度は訪問したほうがいいでしょう。この際、手土産を持参すれば、より気に留めてもらえるかもしれません。
管理会社を変更するという手段もあり
以上のように管理会社の失敗しない選び方と上手な付き合い方を解説してきましたが、このとおりに行っても契約した会社が期待した仕事をしてくれないこともあり得ます。その場合は、よく話し合ってお互いに誤解があれば解決するようにしましょう。それでも改善しない場合は、我慢することなく管理会社の変更を検討するべきです。
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