- 総合トップ
- 不動産売買お役立ちコラム
- 不動産を売却すると確定申告が必要?計算方法・申告の流れを解説
Column
不動産を売却すると確定申告が必要?
計算方法・申告の流れを解説

不動産を売却した際の確定申告が必要かわからなくて不安という方もいるでしょう。不動産売却により利益が出ると譲渡所得税を課せられる場合があり、確定申告が必要になります。
本記事では、不動産売却における譲渡所得税の計算方法や確定申告の流れなどを解説します。不動産売却後の納税額や確定申告について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
不動産を売却すると確定申告が必要?
不動産を売却した後に確定申告が必要になるのは、利益が出た場合です。利益に対して、譲渡所得税が課せられます。
一方、不動産を売却しても利益が出なかった場合は、確定申告をする必要はありません。
ただし、利益が出なかった場合でも、特例を利用するには確定申告が必要です。例えば、マイホームの売却によって損失が出たとき、要件を満たしたうえで確定申告することで特例を受けられます。
譲渡所得税とは
不動産を売却した価額から取得費と譲渡費用を差し引いた金額、つまり不動産の売却によって得た利益を譲渡所得といいます。譲渡所得に課税される税金が譲渡所得税です。
譲渡所得税は分離課税であり、給与所得や事業所得といった他の所得と分けて計算しなければなりません。確定申告の手続きは他の所得と同時におこないます。
譲渡所得税の課税対象は、国内の土地や建物のほかに、借地権など土地上に存在する権利や海外に所在する土地や建物も含みます。
参照:譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
参照:譲渡所得の対象となる資産と課税方法|国税庁
参照:居住者が海外の不動産を売却した場合の課税関係等|国税庁
譲渡所得の種類と税率
譲渡所得は不動産の所有期間によって2種類に分けられ、譲渡所得税を算出する際の税率が異なります。
売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得に分類されます。
| 譲渡所得の種類 | 不動産の所有期間 | 税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 所得税:15% 住民税:5% 復興特別所得税:基準所得税額の2.1% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 所得税:30% 住民税:9% 復興特別所得税:基準所得税額の2.1% |
不動産の所有期間とは、土地や建物を取得した日から続けて所有していた期間のことです。相続や贈与によって取得した場合は、被相続人や贈与者が取得していた期間を通算できます。
取得費・譲渡費用とは
譲渡所得税は、売却価額から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡所得に税率をかけて算出します。
取得費には、売却する不動産の取得時にかかった費用のことで、主に以下の費用が含まれます。
- 土地の購入代金
- 建物の購入代金や建築代金(所有期間の減価償却費相当額を差し引く)
- 購入にかかった手数料、登記費用、印紙税、不動産取得税
- 土地の造成費用や測量費用、改良費
- 建物付き土地の建物の解体費用(土地の利用が目的と認められる場合)
取得費が不明な場合は、不動産の売却価額の5%(※)を取得費として算出することも可能です。
一方で譲渡費用とは、以下のように不動産の売却に直接かかった費用を指します。
- 仲介手数料、印紙税
- 測量費、建物の解体費用
- 立ち退き料
参照:取得費となるもの|国税庁
参照:譲渡費用となるもの|国税庁
(※)参照:取得費が分からないとき|国税庁
不動産売却時の譲渡所得税の特例
不動産売却時の譲渡所得税には、譲渡所得の控除や税率の軽減などの特例を適用できる場合があります。
マイホームの譲渡益が出た場合
マイホームを売却して利益が出た場合に利用できる特例は、主に次の3つです。
3,000万円の特別控除の特例
マイホームを売却した場合、所有期間にかかわらず、譲渡所得から3,000万円を控除できます。主な控除要件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいる、または住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売った家屋と、その敷地や借地権であること
- 更地にした場合、解体した日から1年以内に売買契約を締結し、住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売却すること
- 売った年の前年と前々年にこの特例を受けていないこと
本特例は後述する軽減税率の特例と併用できますが、マイホームの買換え(交換)特例とは併用できません。
軽減税率の特例
所有期間が10年超のマイホームを売却して利益を得た場合、譲渡所得税の税率を軽減する特例を受けられます。
本特例を適用した場合、3,000万円の特別控除を適用したあとの課税長期譲渡所得に対して、以下の軽減された税率をかけて税額を算出します。
| 課税長期譲渡所得 | 軽減された所得税率 | 軽減された住民税率 | 復興特別所得税 |
|---|---|---|---|
| 6,000万円までの部分 | 10% | 4% | 基準所得税額の2.1% |
| 6,000万円を超える部分 | 15% | 5% | 基準所得税額の2.1% |
特例を受けるための、主な要件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいる、または住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売った家屋と、その敷地や借地権であること
- 売った年の1月1日で所有期間が10年以上あること
- 家屋を解体した場合、解体した年の1月1日で所有期間が10年以上あり、解体した日から1年以内に売買契約を締結し、3年を経過した年の12月31日までに売却すること。
- 売った年の前年と前々年にこの特例、およびマイホームの買換え(交換)の特例を受けていないこと
買換え(交換)の特例
マイホームを買換えた場合、売却した住宅に譲渡益が生じても、将来買い換えた家を売却するまで譲渡所得税を繰り延べられます。主な適用要件は以下のとおりです。
- 自分が住んでいる、または住まなくなってから3年を経過した年の12月31日までに売る家屋と、その敷地や借地権であること。
- 家屋を解体した場合、解体した年の1月1日で所有期間が10年以上あること。さらに解体した日から1年以内に売買契約を締結し、3年を経過した年の12月31日までに売却すること。
- 売った年の前年から翌年までの3年間に買い換えること。売った年または前年に買い換えたときは売った年の翌年の12月31日まで、売った年の翌年に買い換えたときは取得した次の年の12月31日まで住み続けること。
- 売却代金が1億円以下であること
- 買換えた家の建物面積が50㎡以上、敷地面積が500㎡以下であること。
譲渡所得税が非課税になるわけではないため、いずれは納税する必要があります。なお、本特例は3,000万円の特別控除の特例、軽減税率の特例などの特例と併用できません。
マイホームの譲渡損失が出た場合
マイホームを売却して損失が出た場合、通常は確定申告が不要です。しかし、確定申告をすることによって受けられる特例があります。
売った年の1月1日で所有期間が5年を超えるマイホームの譲渡損失が出た場合は、住宅ローンの残債の要件を満たしていれば、その年の他の所得と損益通算できます。その年に通算しきれなかった場合は、翌年以降3年以内まで繰越控除も可能です。
相続した不動産を売却した場合
譲渡所得税には、相続した不動産を売却した場合に適用できる特例もあります。
被相続人の居住用財産を売却した場合の3,000万円控除の特例
相続した不動産を売却したとき、譲渡所得から最高3,000万円まで控除を受けられます。主な要件は以下のとおりです。
- 相続の直前まで被相続人が居住していた家屋や敷地を、相続により取得したこと
- 昭和56年5月31日以前に建築された耐震基準を満たした家屋、または家屋を取り壊したあとに敷地を売却すること
- 相続した日から3年を経過する年の12月31日までに売ること
- 売却代金が1億円以下であること
本特例を受けるには、解体して更地にして売る、あるいは耐震基準を満たす改良工事をしたうえで中古戸建として売るという選択肢があります。どちらも費用がかかるため、売却方法をよく検討することが大切です。
参照:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
相続した不動産を一定期間内に売ると、相続税の金額の一部を取得費に加算できる特例があります。
ただし、相続により不動産を取得した人に相続税が課税されていること、かつ相続した日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年が経過する日までに売却している場合に適用されます。
この特例を受けることで、相続した不動産の売却にかかる譲渡所得税を減らすことが可能です。
不動産売却により課せられる譲渡所得税の計算方法
不動産売却で課せられる譲渡所得税は、以下の流れで計算できます。
- 譲渡所得を求める:売却価額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得
- 課税譲渡所得を求める:譲渡所得-特別控除額=課税譲渡所得
- 譲渡所得税額を求める:課税譲渡所得×税率=譲渡所得税額
例えば、15年所有したマイホームを8,000万円で売却し、取得費が2,500万円、譲渡費用が500万円だったとします。この条件で、3,000万円の特別控除の特例と軽減税率の特例を適用した場合の譲渡所得税は以下のとおりです。
8,000万円-(2,500万円+500万円)=5,000万円(譲渡所得)
5,000万円-3,000万円=2,000万円(課税譲渡所得)
2,000万円×14.21%(※)=284.2万円(譲渡所得税)
※所得税:10%、住民税:4%、復興特別所得税:所得税10%×2.1%=0.21%
課税譲渡所得が同額でも、不動産の所有期間や特例によって譲渡所得税が変動する点に注意しましょう。
不動産を売却した場合の確定申告の必要書類
不動産売却をした際の確定申告では、主に以下の書類を準備する必要があります。
- 確定申告書
- 不動産の取得費用と譲渡費用を証明する書類
- 本人確認書類
- 戸籍の附票の写し(住民票の住所と売却不動産の所在地が異なる場合)
- 譲渡所得の内訳書(3,000万円の特別控除、軽減税率の特例を利用する場合など)
- 土地、建物の登記事項証明書(軽減税率、買換え、譲渡損失の特例を利用する場合など)
- 売買契約書の写し(買換え、譲渡損失の特例を利用する場合など)
- 相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書
- 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
利用する特例によって必要書類も異なるため、必要書類をよく確認しましょう。
不動産売却後の確定申告の流れ
不動産を売却後、確定申告をおこなう流れは以下のとおりです。
- 必要書類を用意する
- 譲渡所得の内訳書を作成する
- 確定申告書を作成する
- 確定申告書と必要書類を税務署に提出して申告する
- 納税額を納税する
なお、確定申告はマイナンバーカードを用意すれば、スマートフォンやパソコンから自宅でe-Taxを利用して申告できます。手順は以下のとおりです。
- マイナポータルアプリをインストールする
- 確定申告書等作成コーナーにアクセスし、書類を作成する
- 書類を送信する
- 納税額を納税する
e-Taxは24時間対応しているため、帰宅時間が遅い方でも申告しやすいのが特徴です。還付金がある場合は、書面で申告するよりも早く、3週間程度で還付金を受け取れます。
一方、税務署などの申告会場では、確定申告の不明点を聞きながら申告することが可能です。パソコン操作に不安のある方や申告書類の書き方がよくわからない方などは、会場で申告するとスムーズです。
参照:不動産等を売却した方へ|国税庁
参照:土地や建物を譲渡(売却)してその譲渡所得を申告する場合の入力例|国税庁
参照:スマホとマイナンバーカードでe-Tax!|国税庁
不動産売却後に確定申告する際の注意点
不動産売却後に確定申告する際は、以下のような注意点があります。
確定申告には期限がある
確定申告は、申告できる期間が決められています。通常、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間です。
3月15日が休日や祝日にあたる場合は、3月16日が最終提出日となります。2025年分の申告は、3月15日が日曜日のため、2月16日から3月16日までが申告期間です。
e-Taxを利用すると2月16日よりも早く申告書を送付できます。早めに申告書を提出しておくことで、申告期限を過ぎてしまうリスクを減らせます。
ただし、申告期間よりも前に提出した場合は、税務署で申告書を一時的に預かっている状態に過ぎません。実際に税務署での処理が開始されるのは2月16日からです。
参照:確定申告を忘れたとき|国税庁
参照:申告と納税|国税庁
申告しないとペナルティの対象になる場合がある
期限内に確定申告をしないと、ペナルティの対象となる場合があります。故意・過失にかかわらず、申告の期限を超えてしまえば、延滞税や重加算税などの追徴課税が課せられる可能性があります。
まとめ
不動産売却により利益が出ると、譲渡所得税の確定申告が必要です。特別控除や軽減税率など、税額を減らせる特例を利用できる場合があるため、忘れずに申告することが大切です。
確定申告は、税務署や確定申告会場で申告する以外に、e-Taxを利用して自宅から申告できます。e-Taxは24時間申告できるうえに、書面より早く還付金を受け取れるメリットもあります。
申告期限を過ぎると追徴課税の対象となる恐れもあるため、できる限り早めに申告しましょう。
「ポラス」では、土地や建物の売却をサポートしています。専門知識と丁寧な対応により、初めて不動産を売却する方も安心して手続きを進められます。ぜひお気軽にご相談ください。
ご売却のご依頼は
ポラスへ!

